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採用事務の基本~求人募集から入社までの流れ、求人のポイント~

 今回はバックオフィス業務である採用事務の基本についてご紹介致します。採用事務とは、事務職・オフィスワークの中で、人事や採用担当者の支援をする職種であり、基本的にはオフィス内で、採用関連書類の事務を行っていたり入社書類の提出などを行います。特別な資格やスキルが不要で「未経験者可」の募集だったり、定時に退社できることが多いため、プライベートを充実させられるなどといった理由で、常に人気を集めています。しかし、人気のある職種であるということは、それだけ転職・就職の競争が激しいということ。採用事務への就業を希望するのであれば、しっかりと仕事内容を理解しておかないと、いつまでたっても就くことができない、なんてケースもあります。今回は、採用事務の基本である求人募集から入社までの流れ、求人と面接のポイントについてご紹介致します。

 

求人募集から入社までの流れ

良い人材を獲得し、会社と良い関係を築いてもらうためには、採用担当者の丁寧で細やかな対応が大切です。

  • 準備する書類
    ・面接記録表
  • 作成する書類
    ・求人票
  • 提出先
    所轄のハローワーク
  1. 度の時期で人が必要になるかを検討する
    人が働く時期を考えて求人のタイミングを考える
  2. 求人広告を出す
    募集する社員のイメージや業務の内容を整理し、広告媒体を通じて募集広告を出す
  3. 面接の調整をする
    受付日・応募者氏名・面接日などを一覧にした受付表を作成しておく
  4. 面接に当たり、応募者の対応をする
    応募者に対し、求人広告の内容と求職者の希望の条件に相違が無いか、要件に合っているか等を事前に確認する
  5. 内定通知書を出す(採用まで期間が空く場合)
    新卒者や新年度の採用など、入社まで数カ月空く場合は「内定通知書」を出す。やむを得ない事情が発覚した時や会社の状況が変わった場合には内定を取り消すことが出来るが、解雇と同時に十分理由が必要です
  6. 内定者と定期的にコミュニケーションを取る
    内定から入社まで、長いときには半年近く期間が空くことがあるため、定期的な連絡をして内定者に安心感を持ってもらう社内行事などがあれば招待するといったことも有効です
  7. 入社関係書類を送付する
    入社日にスムーズに手続きができるよう、揃えてほしい入社書類を連絡しておく
  8. 入社手続きをする
    労働条件通知書(雇用契約書)を提示する。保険関係の手続きをする

 

求人と面接のポイント

出来る限り具体的に採用した人材像について、職務内容や条件を絞り込むと選考・面接の業務効率が上がります。

  • 作成する書類
    ・ハローワークの場合
    求人票、事業所登録シート、企業紹介状
  • 提出先
    所轄のハローワーク

求人媒体の特徴と活用ポイント

求人媒体 ターゲット ポイント
ハローワーク 地元の求職者や知識・経験を持つ40歳以上の求職者を採用しやすい傾向にあります
  • 休憩時間や残業計算の方法、昇給のルールなどを法律のルールに従って正しく詳細を記載する必要がある
  • 掲載は無料のため、2週間ごとの更新時期を見てコマ目に掲載すれば常に上位で閲覧される
  • 「経験者歓迎」「経験者尚可」はOKといった表現はNG
  • 企業登録すればインターネットからの募集が可能
求人誌

新聞

フリーペーパー

無料・有料の求人誌 学生などのアルバイトや主婦のパート
  • 服装や上方の自由度や試験前の休み調整など、学生が知りたい情報をヒアリングしてくれる
新聞の折り込み 年代層が高めのパート会社の近隣に住む人
  • 掲載から応募までの流れがスピーディーなので急募案件には向いている
求人サイト 大手求人サイト 新卒採用、中途採用、などのサイトを展開している運営会社が多く、年齢、能力など企業が希望するピンポイントの人材に照準を合わせることが出来る
  • サイト上で細かい検索がかけられるようになっているため、職種も詳細に絞り込むことが出来る
  • ハローワーク同様に「女性のみ」「40歳未満」というような性別や年齢の制限を設けることは禁止されているが、「求める人材像」を字数制限なく記載することが出来るため、会社の希望を伝えやすい
専門特化型 一定の資格や業種に特化して休職している人
  • より詳細な職務内容を求める場合に有効

有料求人媒体なら、こんな設定も可能

仕事の特徴 □転勤無し、□フレックス勤務、□残業月30時間以内、□原則定時退社、□海外勤務・出張あり、□英語を使う仕事、□中国語を使う仕事、□その他の言語を使う仕事
会社の特徴 □外資系企業、□中途入社5割以上、□女性社員5割以上、□独立支援制度、□3年連続売上UP、□20代管理職登用実績、□産休・育休取得実績あり、□育児中の社員在籍中
待遇・職場環境の特徴 □服装自由、□年間休日120日以上、□5日以上連続休暇取得可能、□完全週休2日制、□マイカー通勤可、□オフィス内禁煙・分煙、□社宅・家賃補助制度、□交通費全額支給

面接時の記録

  • 所定の様式を作る
    面接時の記録は全て残しておくことで入社後の認識の違いを防いだり、事実確認をするときにも役立ちます。

競業避止義務を確認する

  1. 前職に対する競業避止義務
    従業員が会社の事業と競合する事業を自ら営んだり、競合他社の取締役を務めたりといった競業行為を制限する義務のことです。

    制限されるもの 確認事項
    • 取引しているサービスの情報流出
    • 今後取引する予定のサービスの情報流出
    特に法律では定められていないものの、先に対して、「期間」「エリア」「代償としての「退職金や特約手当」を受け取っているか
    【個別に定める】

    • 同業他社への転職・近郊での開業によるサービス・ノウハウの提供
    • 業務の過程で出来たネットワーク、交渉術、業務上の視点、手法など
  2. 自社を退職した場合の競業避止義務
    入社の段階で誓約書を交わしておくことが理想です。

他社で働いている人が入社する場合(副業)

  1. どちらの会社で雇用保険に加入するか
    2つの会社で20時間以上勤務することになった場合、雇用保険の要件は満たすことになりますが、雇用保険に関しては2つの事業所で加入することはできません。考え方は、労働時間の長さではなく、賃金の多い方の会社で加入します。
  2. 割増賃金は複業先が支払う
    副業をした場合、複数の会社で労働時間を合算して考えるため、複業先は法定労働時間に満たなくても割増賃金を支払う必要があります。
  3. 社会保険の加入
    加入要件は「週の所定常勤労働時間が正社員の4分の3以上」なので、複数の会社に勤務しながら両方で社会保険に加入することはほとんどありません。しかし、一方の会社が代表取締役の場合は時間に関係なく加入しなければならないため、2か所で社会保険の加入要件が生じます。その場合は、「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出します。どちらの事業所を主とするかを届け出ますが、保険料はそれぞれの報酬額に応じて按分し、それぞれの事業所ごとに支払います。

 

まとめ

 今回は採用事務の基本について説明をしましたがいかがでしたか。採用事務という職種について見てきました。どの会社でも存在する「採用活動」の最も基本となっている採用事務は、未経験でも始めることができたり就業時間が定まっていたりという利点のほか、基本的なビジネススキルやビジネスマナーを身につけられるという面で非常に優れています。自分のスキルを高め、将来のキャリアアップにつながるといえます。採用事務は定められた勤務時間を越えて働くことが少ない職種のひとつなので、公私ともに充実させたいと思う人からの人気が高いです。また、スキルアップしていけば採用担当として業務を行っていくこともできますので、人事や採用活動に携わりたい人にはお勧めの職種です。

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