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年末調整の基本~「給与所得者の保険料控除申告書」を回収~

 今回はバックオフィス業務である年末調整の流れについてご紹介致します。年末調整の用紙の二枚目は、「○年分 給与所得者の保険料控除申告書」という用紙です。この用紙は、平成29年までは配偶者特別控除の申告も兼ねていましたが、平成30年からは配偶者控除等の申告が別の用紙となり、保険料控除についての申告だけになりました。所得税や住民税には保険料控除があり、収入を得ている人が生命保険や地震保険の保険料や社会保険の保険料を支払っていると、その支払保険料の金額に応じて税金が安くなります。その支払保険料について申告するための用紙です。この時期になると、うんざりする担当者も多いのではないでしょうか。今回はこういった年末調整の基本についてご紹介致します。

 

給与所得者の保険料控除申告書を回収

生命保険や地震保険を支払っていると、所得控除が受けられます。

  • 配布する書類
    ・給与所得者の保険料控除等申告書(保険料控除申告書)
  • 検索場所
    国税庁/[手続名]給与所得者の保険料控除等の申告
  • 配布時期
    ・11月15日ごろ
  • 回収の時期
    ・11月末ごろ
  1. 「給与所得者の保険料控除申告書」を配布する
    年末調整において、地震保険料や生命保険料などの保険料控除を受けるための書類
  2. 「給与所得者の保険料控除申告書」を回収する
    今年度、最後に支払う給料または賞与の2週間前には回収する
  3. 記入漏れや添付漏れが無いかを確認する
    印鑑の押印漏れや明らかな記入ミスがあったら、本人に連絡する。保険料の控除を受けるためには、保険会社などが発行した控除証明書の添付が必要

「給与所得者の保険料控除申告書」の基礎を知る

  1. 「給与所得者の保険料控除申告書」とは
    生命保険料控除等の所得控除を受けるための書類です。税務署長から提出を求められたとき以外は、給与の支払者が保管しておきます。
  2. 保険料控除の計算
    次のようなものがあります。

生命保険料控除の計算方法

  • 平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約の場合
年間の支払保険料 生命保険控除額
2万円以下 支払保険料などの全額
2万円超~4万円以下 支払保険料等×1/2+1万円
2万円超~4万円以下 支払保険料等×1/4+2万円
8万円超 一律4万円
  • 平成23年12月31日以前に締結した生命保険契約の場合
年間の支払保険料 生命保険控除額
25,000円以下 支払保険料などの全額
25,000円超~5万円以下 支払保険料等×1/2+12,500円
5万円超~10万円以下 支払保険料等×1/4+25,000円
10万円超 一律5万円

地震保険料控除の計算方法

区分 年間の支払保険料 控除額
地震保険 5万円以下 支払金額
5万円超 5万円
旧長期損害保険料 1万円以下 支払金額
1万円超2万円以下 支払金額×1/2+5,000円
2万円超 15,000円
上記両方ある場合 ①②それぞれの方法で計算した員額の合計額(最高5万円)

 

まとめ

 今回は年末調整の中でも年末調整の給与所得者の保険料控除申告書を回収についての基本的な説明をしましたがいかがでしたか。「生命保険料控除」の欄に、控除対象となる保険の契約内容や保険料を記入し、用紙の指示にしたがって生命保険料控除額を計算します。生命保険や医療保険、特定の条件に該当する個人年金保険など、控除対象の保険に加入していると、生命保険会社から事前に保険料控除証明書が送られてくるので、証明書を見ながら記入し、証明書も添付して提出します。しかし、毎年の作業となるので従業員の数が多ければ、管理側の負担も大きくなりがちだといえます。年末調整のタイミングで処理をしようとしても、書類のミスも増えてしまう恐れがあるでしょう。管理業務の負担を減らすためには、クラウドサービス等の業務効率化ツールを導入してみるのも1つの方法です。そういった給与計算の仕事を円滑に行うには、社会保険労務士の資格取得がおすすめです。働きながら勉強できる資格なので、給与計算の担当としての成長を願うなら資格取得や複業で他社の業務に携わってみてはいかがでしょうか。

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