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買掛債権管理についてご紹介~購買業務~

 経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。売上・売掛金管理、人事労務管理、主計業務等です。この中に、買掛金管理という業務があります。買掛金管理は会社が仕入先に出金するまでの過程ですので、非常に重要な管理業務と言えます。そこで、今回は買掛金管理について、各場面について解説したいと思います。


購買業務

購買業務の概要


購買業務とは、発注から代金支払いまでの流れをいいます。購買業務は、その活動が利益に直接影響することから年々重要性が増しており、要求沙汰物をただ購入するだけの購買から、要求を先読みした能動的な購買の姿が求められつつあります。近年ではSCM(Supply Chain Management)の導入や取引先とのネットワークの整備等が行われています。

購買業務の管理の目的


購買業務を管理する目的は、適正な品質のものを、適正な価格で、必要な時期に購入することが出来る体制を整備することにあります。購買業務では、品質、数量、納期、価格という4要素はお互いに作用しあっており、バランスをとる必要があります。このうち、いずれか1要素でも満足できなければ、購買業務の目的は達成されません。
したがって、全ての要素について満足でき、安定的な購買を行うためには、まず信頼のおける購買先との取引を行うことが大切です。購買先の選定では、その会社が継続的な取引先としてふさわしいかどうかを検討する必要があります。

仕入れ計上基準


仕入れの計上基準として考えられる方法には、次のものがあります。

①納品基準(入荷基準)

物品が納品され、発注書と照合した時点で仕入れを計上する方法をいいます。

②検収基準

物品を検収した時点で仕入れを計上する方法をいいます。

上記の内一番望ましい方法は検収基準です。検収とは、納品を受けて発注書との照合終了後の品質検査や動作確認等の作業を言います。そのさい、受領した検収報告書や送り状・納品書などは、日付の記載があることとともに納品内容と一致していることを確認し、確認後は日付別や取引先別などに保管します。

なお、内部牽制の観点から見た場合、検収作業は発注担当者と別の担当者が行うのがよいでしょう。

購買代金の決済手順

購買代金の決済は、以下の手順で行われます。

①請求内容の確認および債務計上

見積書や納品書や仕入れ先別台帳等と請求書を照合し、品目・数量・単価・金額等といった請求内容に問題が無いことを確認します。確認後、請求内容に基づき買掛金等債務の計上を行いますが、事前に納品書等に基づき債務計上が行われている場合には計上額に相違がないかの確認を行います。

②支払依頼

購買代金の支払い条件は、各取引先との交渉によって決定されるため、各購買先によって違ってきます。支払依頼をする際は、各購買先によって違ってきます。支払依頼をする際は、各購買先の支払い条件を確認したうえで支払い依頼書を作成します。また、支払依頼を行った請求書には支払い済み印を押印し、二重支払いを防ぐことも大切になります。

③支払実行

支払い依頼書に基づき、各購買先への支払いを行います。その際、金額の支払いが行われていることを確認する責任者を別にして内部統制を図るとともに、支払先・支払金額に誤りのないようにします。

④債務消込

支払実施後は仕入れ先別台帳等の補助簿に転記し、各購買先へ適正な金額の支払いが行われていることを確認するとともに、債務残高に関しても台帳等と会計帳簿の残高が一致していることを確認します。

ポイント

納品基準と検収基準

納品基準は、検収の完了によらずに仕入れ計上日となることから、品質上の問題が生じない物品について適用すべき基準であるといえます。一方、検収基準は、オーダーメイド品で品質のチェックをすべきものや機械など、試運転が必要なものについて適用すべき基準です。

一般的に所有権の移転は内容の検査後に行われるべきであると考えられていることから、検収基準が多く取り入れられています。

 

まとめ


債務管理は、日々の仕入業務や、支払業務において蓄積する小さなミスや調整を、事後的にチェックし、補正していく手続です。
定期的に、債務残高のズレを検証・補正し、正しい債務残高を把握することで、支払遅延や二重支払など、代金支払いをめぐるトラブル防止に役立ちます。

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