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テレワークにおける人事評価のギモンを解決

 新たにテレワーク(リモートワーク)を導入しようとする事業者や、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて急いでテレワークを導入したものの、導入について十分な検討をする時間がなかった事業者向けに、テレワークに伴って生じうる人事評価・労務・法務・情報セキュリティに関する問題点を簡単に記載致します。今回は、テレワークがメインの社員を適切に人事評価できる良い方法について、テレワーク(リモートワーク)の導入手順時の人事評価のギモンについてをご紹介致します。

 

テレワーク勤務者の人事評価


テレワーク導入に際して企業から懸念の声がよくあがるものとして、テレワーク勤務者の人事評価について挙げられます。

週に1,2日程度のテレワークの場合には、会社で働く時間の方が長く、テレワークがイレギュラーということになるため、基本的には従来通りの人事評価制度で適用できます。ただ、テレワークを週5日行うといった場合にこれまでの人事評価で良いのかと悩むケースが多くなっています。

特に本企業においては業務遂行度や目標達成度といった成果だけではなく、目標達成までの過程を評価するプロセス評価が導入されている場合も多くなっています。プロセス評価とは、業務に対する意欲・姿勢、つまり簡単にいえば「頑張った点」「新たに挑戦したこと」を評価したり、企業理念、企業のミッション・バリューへの共感度を評価したりするものですが、このプロセス評価にあたっては「自分の目の前に常いる部下の評価ですら難しいのに・・・」と悩む上司も少なくありません。こうした場合にどのような方法で評価すると良いのでしょうか。

 

目標管理制度


テレワークをメインに行う従業員が多い企業では目標管理制度に基づく成果主義の導入を行っている例が多くみられます。

目標管理制度とは、個別に目標を設定し、それに対する達成度に応じて評価を決める制度で、MBO(Management By Objectives)とも呼ばれる組織マネジメントの概念です。会社が会社で達成したい経営目標を実現するために、個々の従業員が具体的にどのような目標を達成していくのかを落とし込み、自分自身で主体的に設定し、上司とすり合わせていくというものです。つまり、従業員自分自身で目標を設定することになります。

従業員自身が主体的に目標を決めそれに向かい取り組むということは良いのですが、この個人の目標の設定は高すぎず低すぎず、適切に設定しなければなりません。設定が適切でないと、目標が会社の期待と大きく乖離することになり、会社にとっても個人にとっても良い結果を招きません。そのため会社や上司は、個々人に期待する水準をしっかりと伝え、目標設定が手k市越に行われるようにすることが目標管理制度の成功のポイントとなります。

 

成果主義の懸念とピアボーナス

ただ、あまりに成果主義を突き詰めすぎると、組織のコミュニケーションが停滞したり、自分さえよければいいといった利己主義が会社に蔓延し悪い影響があるのではという懸念を抱く企業もあります。

こうした企業の懸念への一つの解決策として、「ピアボーナス」という仕組みが特にテレワークにはマッチしているのではないかと考えています。ピアボーナスという言葉は聞きなれないという方も多いかと思います。このピアボーナスはアメリカの大手IT企業Googleでも社員の評価指標の一つとして導入されています。ピアとは英語で「仲間、同僚」の意味で、「仲間、同僚からもらう成果給(ボーナス)」のことを言います。

日本の一般的な企業の人事評価制度は、通常「経営者や管理職」が従業員の能力や実績を査定してs休学を決めるという仕組みとなっていますただ、通常、経営者や管理職は一般従業員との業務に密接に関わっているわけではなく、日々、従業員の細かな働きぶりに目を配るということは現実的ではありません。そのため、通常の人事評価の際には、やはり目に見える成果に基づいた評価になりがちなところがあり、従業員的な頑張りが従業員の給与や賞与に反映されにくいというデメリットがあります。こういった背景から、日本でも経営者・管理職の評価だけではなく、仲間・同僚による評価を導入することで、従業員の日々の小さな貢献を報いようという流れがあり、ピアボーナスを導入する企業がITベンチャーを中心に増加しています。

日本においてピアボーナスの開発・提供を行う企業もいくつか出てきています。基本的なサービスの仕組みとしては「日々の業務で、皆から感謝されるような良い行いをした従業員に対し、他の従業員が感謝のメッセージとともにポイントを送るシステム」というのが標準的になっています。そしてこの社員同士で送りあったポイントを給与や賞与に反映させていくという仕組みです。

例えば日本でサービス展開するピアボーナス「Unipos」(Unipos株式会社)の場合は、メッセージはSlack・Chatworkなどのチャットツールを利用することで簡単に投稿でき、その投稿はタイムラインで全社に共有することが出来るようになっています。また、その投稿に他の従業員が拍手ボタンを押すことが出来る仕組みも搭載され、それぞれがコミュニケーションに参加できるので、人事評価に反映させるという効果に加えて、社内コミュニケーション活性化するという効果も高めることが出来ます。

成果は重視しつつも、こうした見えない貢献を評価に加えたいという企業には、ピアボーナスは相性のいい仕組みであると思われます。また、この仕組みは、特にテレワークで希薄になりがちなコミュニケーションw活性化させる効果にも繋がりますし、テレワーク時には特に相性の良い仕組みなのではないでしょうか。

テレワークの本格導入にあたっては、こうしたピアボーナスのような仕組みを検討することで偏った評価制度となることを防ぐのも一案です。

 

まとめ


 上記までにご紹介致しました通り、テレワークを実施については労災・安全衛生について頭を抱える方も多いのではないでしょうか。企業はテレワークの就労形態に伴った対応が必要となります。テレワークの推進には、就業規則等の制度面だけでなく、従業員のITリテラシー向上も必要です。この機会にITスキルの可視化を行ってみてはいかがでしょうか?

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