経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。決算を取りまとめ、財務諸表を作り、分析することで次の会社のアクションに繋げるということは、まさに経営スタッフそのものの仕事です。スケジュールを守るためには、誰とどのような段取りをしておけばいいのかを考えます。 経理の社員は、企業にとって価値を提供することができます。そこで今回は単体決算の決算準備についてご紹介を致します。
決算準備
決算方針の策定
決算作業に入る前に、会社の決算方針の確認を行います。会計処理が変更になる場合には、事前に監査役、会計監査人などと協議しておくことも必要です。
また、新たな会計基準適用の有無についての確認も行います。税務上の取り扱いについても、税制改正があった場合の内容を確認します。
決算方針の策定には、配当の方針の策定も含まれています。配当方針の策定は、決算数値の予測をし、配当可能な金額(分配可能額)を算定して、決算後の配当金額をいくらにするかという手順により策定されます。分配可能額は、会社法で算定する方法が定められています。
決算スケジュールの作成
前年の決算スケジュール等を参考にして、当期の決算スケジュールを作成します。また、関係各部署に対して、決算に使用するデータや伝票の締切日などを通知して、スケジュールに無理がないかを事前に打ち合わせておきます。
担当者の確認
月次作業での担当に加えて決算作業での担当者を決めていきます。引当金、その他の決算項目について担当者を決める必要があります。各科目の勘定明細表の担当者割も、同様に決めておきます。
下記のような表で作業日程の管理をしてくと、作業が滞りなく進みます。
ワンポイント
配当可能限度額
株主に対して支払われる配当金は、会社が設けた利益等を原資として支払われますが、無制限に支払うと会社の営業活動に必要な資金が流出してしまう可能性があるため、会社法では一定の算式により算出した金額までしか配当金として支払うことを認めていません。
まとめ
以上のように、決算を取りまとめ、財務諸表を作り、分析することで次の会社のアクションに繋げるということは、まさに経営スタッフそのものの仕事です。スケジュールを守るためには、誰とどのような段取りをしておけばいいのかを考えます。 経理の社員は、企業にとって価値を提供することができます。
各部署のコミュニケーションをより密にし、情報共有や必要書類収集のスピードアップを図りながら、経営の健全・安定化に繋がる決算にに取り組んでみてください。