経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。財務管理の目的は、「会社に必要な資金をどのように調達して」「その資金をどのように運用していくか」の施策を考えて、企業価値を上げるために実行していくことにあります。経理は会社内で発生した取引に関して、仕訳を通して、記録計算することが業務になるため、財務計画の立案から資金の調達と運用がメインである財務管理とは異なる業務になります。有価証券運用信託とは、有価証券の管理のほかに、受託した有価証券を運用して収益をあげることを目的とする信託です。 運用方法としては、有価証券を第三者に貸し付けて貸付料を得るのが一般的です。そこで有価証券管理の投資についてご紹介を致します。
投資判断を行う仕組み
一般的な事業会社では、投資行為は事業を進めていく上での重要な事項です。そのため、投資の判断を迅速に行える社内体制を作っておく必要があります。
具体的には、
- 投資計画策定
- 投資先の選定と評価
- 決定と実行
- 管理
上記の事項がありますが、それぞれについて担当者を置き、会社独自の投資基準を設定することで素早い実行が可能です。
通常、担当部署が意思決定の中心となると思われますが、経理部門は、数字に責任を持つ立場として客観的な評価と分析を行い、シミュレーションを行うなどの支援が望ましいといえるでしょう。
ポートフォリオ
投資を行う場合には、目的を明確に定めなければなりません。具体的には、どの程度の収益を期待し、どの程度のリスクを許容できるかという点です。
とくに有価証券には投資する際には、個別銘柄に対して集中投資は行われません。個別の金融資産に投資するリスクを回避し、安定分散を図ることを目的として分散投資を行いますこの分散投資による資産形成をポートフォリオといいます。
投資の参考となる指標
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ROE(株主資本利益率)
企業の収益性を図る指標の一つです。株主資本が、企業の利益にどれだけつながったのかを示します。
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 -
ROA(総資産利益率)
企業の収益性を測る指標の一つです。保有する資産をどれだけ有効活用しているかを示します。
ROA(%) = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100 -
EPS(1株当たり利益)
企業の収益性を測る指標の一つで、1株当たりの利益額を示します。
EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数 -
自己資本比率
安全性分析指標の一つで、総資産に占める自己資本の割合を示しますこの比率が高いほど自己資本が充実し、安定性が高いことを示します。
自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資産 × 100 -
PER(株価収益率)
株価を1株当たり当期純利益で割った株価収益率になります。PERが高いほど利益に比べて株価が割高であり、PERが低いほど株価が割安であると言えます。
PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS) -
PBR(株価純資産倍率)
PBRとは、株価純資産倍率のことで、株価を1株当たりの純資産で割った数値になります。株価が1株当たりの純資産額の何倍で買われているかを表します。
PBR(倍) = 株価 ÷ 1株当たりの純資産
まとめ
資金の仕事をご紹介が、財務部門が必要とするスキルは、調達の有無と手段を決定する判断力(返済の見積もり計画、会社の財務状況の分析、調達する資金の用途別内訳、そもそも実現可能なのかなど)と金融機関に対する折衝力になります。
有価証券の信託は、信託契約により有価証券を信託銀行等に信託する信託です。
有価証券の信託には、有価証券の管理事務の軽減を目的とするものや、保有する国債等を貸し出すことにより運用収益を得る目的とするもの、インサイダー取引等の防止のために株式の売却を目的とするものがあります。