経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。在庫管理は企業を支える土台となるものであり、この土台がしっかりしていないないと、企業の経営は上手くいきません。モノを売る企業で、在庫や在庫管理の意味や必要性を理解しておくことは、必須といっても過言ではありません。今回はそんな在庫の適正管理についてご紹介を致します。
適正在庫管理
適正在庫管理とは
適正在庫とは、在庫することによるコストを最小限に抑え、品切れを起こさず、かつ過剰な在庫をもたない状態をいいます。在庫を抱えることによるコストを最小限に抑え、かつ効率の良い販売を行うには、きめ細かな管理を行う必要があります。
適正在庫の意義
在庫は過剰でも過小でも、メリットのわりに様々なデメリットが生じます。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
在庫過剰時
◎メリット
- 販売機会の損失を防ぐことが出来る
◎デメリット
- 余分な費用の発生
保管費用、金利、処分代等 - 在庫の品質低下
商品の劣化や陳腐化 - 生産性の低下
管理コスト、時間の増加
在庫過小時
◎メリット
- 在庫の品質低下リスクが減る
- 管理費用の減少
保管費用などの減少
◎デメリット
- 販売機会の損失
数量や納期に対応できない可能性が増す - 単位当たりの仕入れコストの増加
大量仕入れによる割引不可 - 発注回数の増加
購買担当者の手間の増加
どちらの場合でも、結果として利益率の低下をもたらすので、適正在庫を把握し、維持することが大切になります。
適正在庫の設定
適正在庫を設定するときは以下の項目を考慮する必要があります。
①販売計画および納入状況の確認
事前の販売計画や仕入れの納入状況を考慮し、品切れを起こさない数量を把握する必要があります。
②商品の特性
劣化しやすいものは販売量に応じて、長期に保存が可能なものは一度に大量の発注を行って、出来る限り仕入れコストを下げるなど、商品の特性を考慮します。
適正在庫の検証
適正在庫を保つためには、以下の2つの観点から在庫管理を行っていく必要があります。
①数量面
事前に設定された基準の在庫数量と実際の在庫数量を確認し、超過数量及び内容を把握します。その後、関連の部門に問合せて、超過原因の究明を行い、対応策を策定、推進します。
②年齢面
在庫の管理には、数量以外にも、年齢管理(在庫期間)という観点があります。数量は基準に合っていても、動きがない場合には品質が低下している可能性があります。実際の手順としては、事前に設定した在庫の基準年齢(期間)と実際の在庫年齢を比較し、超過しているものの内容を確認した後、超過下人の究明を行い、対応策を策定、推進します。
なお、数量面・年齢面とも、市場動向の変化等に応じて基準の見直しを行うことも大切になります。
まとめ
どんなに計算しても、予測という要素が入る以上、確実に的中する保証はありません。しかし、闇雲に発注するよりは欠品や余剰のリスクは軽減するはずです。試行錯誤を重ねながら、無駄のない在庫管理を目指してください。
このように、モノを売る企業にとって在庫管理はとても大切なのです。この在庫管理をないがしろにしてしまうと、企業としての信頼を失うってしまう可能性もあります。この機会に、一度自社の在庫管理を見直してみてください!