経理や財務の部署に所属すると、様々な業務が出てきます。財務管理の目的は、「会社に必要な資金をどのように調達して」「その資金をどのように運用していくか」の施策を考えて、企業価値を上げるために実行していくことにあります。経理は会社内で発生した取引に関して、仕訳を通して、記録計算することが業務になるため、財務計画の立案から資金の調達と運用がメインである財務管理とは異なる業務になります。ただし、財務管理と経理の業務は密接に関連しています。資金の収支は経理業務による記録から確認することになります。つまり、資金の収入のタイミングと支出のタイミングを掴むことができなければ、いつ、どのくらいの資金を調達すべきであるかということが判別できません。よって、経理の業務をきちんと行うことで財務管理の業務も成り立つといえます。実際、財務の仕事を経理部が担当している会社も数多く存在します。そこで現金出納管理の銀行振込入出金管理についてご紹介を致します。
インターネットバンキング
インターネットバンキングは、パソコン端末等からインターネットを経由して取引を行うサービスです。総合振込み、残高照会、取引明細照会などを行うことが出来ます。顧客側は会社等にあるパソコンを通じて銀行と直接取引できるため利便性が高く、銀行側は運営経費を削減できるメリットがあります。
銀行振込入金の管理手順
インターネットバンキングにより得た情報や銀行振込明細書により、自社の口座への入金を確認します。そして、仮受金勘定を使用して、入金計上処理を行います。その後、入金内容を自社請求内容と照合し、一致していることを確かめます。
銀行振込支払いと支払内容の妥当性の判断
関係部署からの支払い依頼があった場合には、その契約内容や請求書を確認し、支払内容や金額の妥当性を検証します。その精査を実施した後に、インターネットバンキングや振込依頼書を銀行に持ち込んで、支払い手続きを実行します。
支払内容の妥当性の判断についてですが、内部牽制の観点から一定以上の金額については事前申請の制度を作っておくべきです。金額が大きいものについては事前に申請し、承認者が決裁することにより牽制力を確保します。
まとめ
資金の仕事をご紹介が、財務部門が必要とするスキルは、調達の有無と手段を決定する判断力(返済の見積もり計画、会社の財務状況の分析、調達する資金の用途別内訳、そもそも実現可能なのかなど)と金融機関に対する折衝力になります。
企業のキャッシュの現状を把握するためには、経理部門との連携は必須ですが、資金調達の手段にはさまざまな方法があり、どの方法が最適であるかはその企業の状態によっても変わってきます。
そもそも調達する必要があるのか、あるのであればどのような手段でするかを検討する判断力が求められ、そのためには新規事業の利益計画や他部署の財務状況を熟知していなければいけません。
また、金融機関から融資を受ける場合は金利や担保、補助金の場合は申込書・申請書の提出といった問題が出てきますが、できるだけ有利な条件で融資・出資を受けるには論理性、説得力、コミュニケーション能力などの折衝が求められます。
株式の発行やベンチャーキャピタルからの出資といった大規模な資金調達と比べれば、中小企業の資金調達は地味な仕事かもしれませんが、中小だからこそ細かい調整が必要で、むしろ重要度は高いといえます。
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