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有給休暇・振替休日・代休の管理の基本

 今回はバックオフィス業務である有給休暇・振替休日・代休の管理についてをご紹介したいと思います。有給休暇は1回の付与日数が10日以上の人は、最低でも年5日は必ず取得してもらわなくてはいけないので、毎月の給料計算時に確認します。休日出勤と代休・振替休日の違いは給料にも影響するので、区別してきます。今回はそんな有給休暇・振替休日・代休の管理ついてご紹介致します。

 

有給休暇の基礎を知る

有給休暇の取得方法を確認する

有給休暇が10以上付与される従業員は会社側が年5日の有給休暇を時季指定で付与しなければなりません。計画的に付与した日に休みを取れているか、それ以外に自己申告で有休を取得しているかを分けてカウントし、有給休暇取得管理台帳に記録しておく必要があります。

付与のタイミングと日数

入社後、6か月経つと有給休暇が付与されます。正社員の場合は最低10日、以後1年6か月、2年6か月と経過するたびに付与日数が増えます。パートなど勤務日数が少ない場合は、「比例付与」といって正社員の付与日数に比例した日数が同じタイミングで付与されます。1回の付与が10日以上になった時点で、正社員同様、年休取得5日以上取得させることが、会社に義務付けられます。

有給休暇を使用できる日

労働日ではない日に有給休暇を使用することはできません。

年次有給休暇付与日数(正社員または常勤者)

※週の所定労働日数が5日以上または週の所定労働時間が30時間以上

勤続勤務年数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
付与休暇日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

年次有給休暇付与日数(パート)

週の所定労働時間が30時間未満

雇入れの日から起算した継続勤務期間
週所定労働
時間
所定労働日数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
1週 1年
30時間以上 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
30時間
未満
5日 217日以上
4日 216日以下
169日以上
7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 168日以下
121日以上
5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 120日以下
73日以上
3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 72日以下
48日以上
1日 2日 2日 3日 3日 3日 3日

正社員であれば所定休日に有有休を申請することが出来ません。また週3日のパートが、1週間に3日勤務+2日有休ということもできません。1カ月に使える日数の上限は勤務日とあわせて所定労働日数を超えない範囲となります。1か月の所定労働日数全てを勤務して、所定休日に有休を取って30日分の給料にすることはできません。

半休・時間単位年休

正午で区切ると、午前と午後で時間が異なるといったことが起こるため、半日単位の有給休暇を就業規則で定めておきます。また、時間単位年休に関しては、1時間単位以外(2時間単位など)でも設定することが出来ます。なお、半日単位の有給休暇をとれるようにすることは義務ですが、時間単位年休は任意の制度で、労使協定で取り決めます。

 

有給休暇の金額と給料への反映をマスターする

通常の賃金を使う場合

月給者

差し引かれる休暇分の給料が有休になるだけなので、1日分の単価を付与するのではなく、出勤日数と有給休暇の日数をあわせて所定労働日数になっていれば、月額の給料額はそのままとなります。

パート

1日の勤務時間が決まっている場合は問題ありませんが、シフトなどで時間が変動する場合は、有給休暇を取ろうとする日の時間にあわせて金額が決まります。

平均賃金を使う場合

次のいずれか高い方の金額になります。通常の賃金よりも金額は低くなりますが、有給休暇を取得するたびに金額を計算する必要があり手間がかかります。また、月給者の場合は給料総額も減ります。

  1. 3か月間に支払われた賃金の総額(直前の賃金締め日からカウント)÷3か月の暦日数
  2. 3か月間に支払われた賃金の総額÷3か月の労働日数×0.6

標準報酬日額を使う場合

健康保険法の標準報酬日額の相当額になります。これは労使協定が必要になります。

 

代休と振替休日の基礎を知る

代休とは

法定休日に出勤したとき代わりに休日を取ることを代休と言います。代休は休日出勤をしているので休日分の割増賃金が発生します。

計画年休と時季指定の違い

計画付与(計画年休)は労働者が持っている有休の「5日を超える部分」について指定するのに対し、
時季指定は最低でも年5日取得できるよう、「本人がしている分とあわせて5日まで」指定するものです。計画年休は労使協定が必要となり労働者が指定することが出来ませんが、時季指定は労使話し合いで決めることが出来ます。

 

まとめ

 今回は給与計算の中でも有給休暇・振替休日・代休の管理の基本的なを解説しましたがいかがでしたか。上記までにご紹介致しました通り、代休とは、休日出勤をした後にほかの労働日に休みを取ることです。代休が取れない場合は違法とされる可能性があります。また、振替休日とは休日を取るタイミングや賃金の額が異なります。そういった給与計算の仕事を円滑に行うには、社会保険労務士の資格取得がおすすめです。働きながら勉強できる資格なので、給与計算の担当としての成長を願うなら資格取得や複業で他社の業務に携わってみてはいかがでしょうか。

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