今回はバックオフィス業務である人事として退職者への事務の基本についてご紹介致します。従業員が退職するときには、「雇用保険被保険者喪失届」や「健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届」、住民税異動届として「給与所得者異動届出書」といった書類の提出が必要です。こうした従業員が退職する際の社会保険や税金などの手続きについて解説していきます。
退職者に対する事務の流れ
退職者に対しては、最後の給料までに税金や社会保険料その他の清算が必要です。
- 退職届を受け取る
自己都合退職であることと退職の時期を明確にするために必要 - 最後の給料から交通費や仮払金を清算する
最後の給料で、会社と従業員(役員)との債権・債務を清算する。最後の給料から会社が立て替えているものを控除する場合、必ず本人の同意を得るようにする - 名刺や会社の備品・情報を返却してもらう
業務に関連する情報を確実に回収し、万が一にも退職後に社外に持ち出すことがないようにする。「退職時の確認誓約書」を交わしておく - 最後の給料から社会保険料を2か月分控除する
退職する日によって、天引きする社会保険料の金額が変わる。月末退職の場合は2か月分、それ以外は1か月分を控除 - 最後の給料から住民税の残りを控除する又は住民税の異動届を提出する
退職する日によって、天引きする社会保険料の金額が変わる。月末退職の場合は2か月分、それ以外は1か月分を控除 - 社会保険の喪失手続きをする
5日以内に、雇用保険 被保険者資格喪失届を最寄りの年金事務所に提出する。健康保険が「転職先の健康保険」「国保」「任意継続」「配偶者の扶養」いずれかになるか確認 - 雇用保険の喪失手続きをする
雇用保険、被保険者資格喪失届を最寄りのハローワークに提出する - 源泉徴収票を本人に送付する
1カ月以内に、その年の1月1日から退職日までの給与の合計額と税額を記載した源泉徴収票を作成し、本人に送付する
有給の買取を要求されたらどうする?
残っている有給休暇を消化してから辞めるというのが一般的ですが、業務の都合上どうしても使い切れない場合もあります。原則として有給の買取をすることはできませんが、退職時に限っては認められています。その場合、買い取った有給休暇は退職所得として処理ます。そのため、離職票を発行するときも退職付きの給料に買い取り有給の額は載せないようにします。
まとめ
今回は人事の退職者への事務の基本について説明をしましたがいかがでしたか。従業員情報は当然ながら個人情報も含まれるので、退職後の取り扱いにも注意が必要です。退職者の情報は、個人別にファイル管理するのが適切です。複数の書類から該当者の情報だけを抜き取るのは大変手間がかかります。紙で従業員情報を管理している場合は、手続きが始まった段階から個人ファイルにまとめておくのがよいでしょう。データで情報を管理している場合は、エクセルなどに情報を抜き出して一括管理する方法や、システム上で管理できる方法があれば便利です。
下記で人事の退職に対しての基本についてまとめ記事を作成しておりますので、ご参考までにご一読ください。
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