今回はバックオフィス業務である経理業務の基本と1年の流れについてをご紹介したいと思います。経理業務は、社長の女房役として社長を支える役割があります。そんな経理業務の基本と流れついてご紹介致します。
ルールを守るのが仕事
あくまでも基本をご紹介致しますので、細かくは異なる場合があることはご了承ください。経理業務を大きく分けると下記2つに分けられます。
①法律に基づいて毎月決まった仕事
経理の仕事は、会社に入ってくるお金と出ていくお金の記録をつけることです。お金の動きを記録するときは、複式簿記というルールを使います。複式簿記は、日本だけでなく全世界共通のルールなので、一度覚えてしまえば一生使うことが出来ます。会社に入ってきたお金はさらに、機械や商品等お金以外の財産に形を変えている可能性もあります。
また税金の申告や納税のルールなどは、法律で「いつまでに」「なにを」しなければならないのが決まっています。ルール通りに計算したり、書類を提出しないとペナルティがあるので、基本的な約束事を覚える必要があります。
②プラスアルファの仕事
法律で決まっているわけではありませんが、現場や営業社員が働きやすいように、バックヤードから支えるのも経理の仕事です。経理には、会社のあらゆるお金に関する情報が集まってくるので、会社内で起きている課題やリスクも、経理なら横断的に把握することが出来ます。各部門間の連絡役となり、会社のリスク管理をするのも経理の重要な役割です。
また、経営会議用の月次試算表や資金繰り表、事業計画書の作成等、経営に役立つ資料作りを任されることもあります。経理は、誰よりも社長の近くにいて、最も信頼されている人が任される仕事です。
経理の仕事に求められる資質
経理の仕事は1年間のルーティンワークが決まっています。まずは1年間の大まかな流れをマスターしてください。その会社独自の業務についても、たいていは昨年の書類が残っていた李、マニュアルがあったりするので、まずはこういった書類を参考にして仕事を進めると良いです。ルールで決まっていることをルール通りに行うのが、経理の基本です。
また、経理には、個人情報を含むあらゆる社内情報が集まってきます。社長ですら経理には隠し事が出来ません。そのため経理には、業務で知り得た情報は決して他人には漏らさないという守秘義務があります。経理には、社内の誰もが安心して業務を任せられる安定感が求められます。
経理の仕事一覧及び1年の流れ
経理の仕事一覧
日々の会計処理
経理の最も基本となる業務です。会社が行う全ての取引を会計ソフトに記録し、月次試算表や決算書作成の元となる帳簿を作成します。
会社の財産管理
現金や預金だけでなく、印紙や切手などの貯蔵品、じどうしゃやパソコンなどの固定資産を管理し、残高を管理するための帳簿や固定資産台帳を作成します。また、商品の入出庫を記録し、在庫が滞留していないかを管理します。
営業事務
見積書や納品書、請求書を作成し、約束通りに入金されたかを確認し、売掛金の残高を管理します。入金が滞った相手には対しては、上司に相談しながら速やかに回収を図りますまた原材料や商品を注文し、請求書が届いたら決済のルールに従って期日までに支払い、買掛金の残高を管理します。
財務
資金がショートしないよう、現預金の残高と入出金の予定を管理し、不足しそうなときは早めに上司に報告します。
税金の計算と納税
従業員や役員に支払う給料、税理士、弁護士などに支払う報酬から天引きすべき所得税を計算し、期日までに納付します。また、決算修了時には、決算業務で計算した法人税や地方税、消費税の納税をします。
文書の作成と管理
従業員や役員に貸付をしたり、社宅を貸与した場合やグループ会社間で取引を行う場合等は、弁護士に依頼せずに社内で契約書を作成します。また、定時株主総会議事録や取締役議事録も作成します。
決算業務
決算末日現在の現金残高を数えたり、預金残高証明書を取得したり、実地棚卸を行ったりなど、決算特有の処理をします。また、減価償却費を計算したり、末払費用の仕訳をしたり、決算整理仕訳をします。決算が確定したら、決算書をもとに税務申告書を作成し、税金を納付します。
年末調整と法定調書
月々の給料計算をもとに年末調整をし、従業員や役員の還付税額を計算します各人の源泉徴収票を作成し、本人に交付するとともに、税務署や市区町村にも提出します。
税務調査の対応
税務調査に必要な帳簿や証憑を準備します。調査当日は経理処理の方法やその処理をした理由等について、調査官の質問に答えます。
経理の1年の流れ ※3月決算の場合
1月 |
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2月 |
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3月 |
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4月 |
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6月 |
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7月 |
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8月 |
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9月 |
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10月 |
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11月 |
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12月 |
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まとめ
上記までにご紹介致しました通り、経理は、社長の女房役としての役割があります。経理部署自体は直接収益をあげる部署ではありませんが、おろそかにしていると10年後にあなたの会社は存在していないかもしれません。そのくらい重要な業務となります。経理の仕事を円滑に行うには、簿記や財務等の資格取得がおすすめです。働きながら勉強できる資格なので、経理としての成長を願うなら資格取得や複業で他社の業務に携わってみてはいかがでしょうか。