人事 教育・研修

【新卒社員必見】新入社員研修の目的と注意点

新入社員が入社する際に行う、新入社員研修。基本的には、業務遂行に必要な知識を身に付けてもらい、活躍人材として成長してもらうために、最初の研修は非常に重要な役割となります。これから新入社員研修を受ける方向けに人事側の目線でご紹介を致します。

新入社員研修の目的と注意点

新入社員研修の目的とは

 新入社員研修で教育すべき内容としては、社会人としての基本的なビジネスマナーから、業務に関わる専門知識、また様々な職種の人と働く上でのコミュニケーション力やヒアリング力など多岐に渡ります。その中でも、基本的なビジネスマナーなど社会人の基礎力に関わる研修は新人教育や育成において特に重要だと考えています。

企業研修を通して、社会人としてどのようなことを意識して行動することが必要なのかという基礎知識の指導を受けているのといないのとでは、その後の実業務の行動が大きく変わってきます。

 

大きくまとめると経済産業省が掲げている社会人基礎力」向上を目的としている会社が多いです。

よくある言葉の例としては、

  • 学生から社会人へ意識を変革させる
  • 社会人に必要な知識や考え方を身に付ける
  • 企業・職場への理解を深める
  • 一般的なビジネススキルを身に付ける
  • 仕事に必要な専門性を身に付ける etc

 

さらに、経済産業省は「社会人基礎力」を3つの能力に分けています。

  • 前に踏み出す力(アクション)
  • 考え抜く力(シンキング)
  • チームで働く力(チームワーク)

 

さらにそれらを12の能力要素に分けて、社会人として必要な基礎力として定義づけています。

社会人として必要な基礎力として定義とは

  • 前に踏み出す力(アクション):一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力

  ①主体性:物事に進んで取り組む力  

  ②働きかける力:他人に働きかけ巻き込む力

  ③実行力:目的を設定し確実に行動する力

  • 考え抜く力(シンキング):疑問を持ち、考え抜く力

  ①課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力

  ②計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力

  ③創造力:新しい価値を生み出す力

  • チームで働く力(チームワーク):多様な人々とともに、目標に向けて協力する力

  ①発信力:自分の意見を分かりやすく伝える力

  ②傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力

  ③柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力

  ④状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

  ⑤規律性:社会のルールや人との約束を守る力

  ⑥ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

私たち研修を行う人事として具体的な指導方法として一番大切にしていることは、5W1Hを意識させることです。いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)を明確にすることで、企業での研修時においても新入社員に対して目標を明確に示すことができ、新入社員が迷ったときの行動指針になるからです。

 

新入社員研修の内容

新人研修では具体的にどのようなことが行われるのかについてご紹介を致します。

企業についての理解を深める

 企業で働く上では、何よりも会社のことを良く知ることや業務全体の把握が重要です。

どのような仕組みで日々の企業活動が行われているのかわからなければ、能力の活かしようもありません。特に「経営理念」は業務のすべてに通じるものであるため、研修対象者にきちんと定着をさせる必要があります。経営幹部や上司、先輩社員といった立場の人たちが新人社員にしっかりと伝えていくことが肝心だと考えています。新入社員の方にもしっかりと聞いておいてほしいポイントです。

社内でのコミュニケーションを深める

 新人の立場からすれば、新しい環境に慣れるまでにはどうしてもストレスを感じてしまう部分もあります。緊張のあまり、本来のパフォーマンスを発揮できないということもあります。研修効果を高めるためには、社内でのコミュニケーションを深めていくことが大切です。同期の横のつながりだけではなく、上司とのコミュニケーションも大切になります。そうすることで結果的に業務も効率的に覚えることが出来ますし、円滑に会社になじむことが出来るようになります。はじめは業務のことで手一杯になりがちですが、社内コミュニケーションも積極的に取るよう頑張ってもらえると人事としては安心します。

一般的なビジネスマナーの習得

 仕事を滞りなく行うために必要な知識や考え方を身に付けます。たとえば、商品の輸入にかかわる企業に勤めているにも関わらず、円安・円高といった経済知識がなければ、円安になった際、自社の経営に悪影響が及んでいるといったことが分からず、適切に業務を進められないでしょう。

また、新入社員に情報の取り扱いやコンプライアンスに関する考え方が身に付いていないと、SNSなどの利用で情報漏洩を起こしてしまうといった険性も考えられます。このように、業務の遂行だけでなく、企業の安定的な運営のためにも、知識や考え方の研修は不可欠です。

その他、実際に仕事をするうえで必要となる技術面での学習です。ビジネスマナーやビジネスライティング、PCスキルをはじめとした、仕事に必要なスキルを身に付けます。

研修のスタイル

 多くの企業において、新卒社員向けの研修には合同スタイルが採用されます。

これは、新卒社員が複数人同時に採用されること、また社会人として基本的で全般的な項目が内容として多くなるため、全員同時に実施できる方法が最も効率がよいと考えられるためです。

合同研修はOff-JT(Off the Job Training)の形態の一つです。

Off-JTとは

 職場から離れた場所で集中的に研修や訓練を行う研修方法で、受講者が研修に特化して取り組めることや、短期間に効率的に知識を習得できることがメリットとされ、入社時点で業務を持たない新卒社員には効果的な研修スタイルと考えられます。

 

習得可能な内容としては、電話応対やメール、ビジネス文書の書き方などの基礎、ビジネスマナー、企業情報、人事制度など実務の基本となる内容、あるいは社会人としての目標設定など、社会人基礎力に関連する内容が主になります。

 

Off-JTで習得できる知識やスキルは、一般的で網羅的なものが中心となり、研修講師から一方向的に情報発信することが特徴です。新卒社員の印象を伺いながら、双方向での研修が必要な場合は、先輩社員との営業同行などのOJTを同時に行っていくことも重要です。

OJTとは

 「OJT(On-The-Job Training)」は、職場で実務に携わりながら仕事に必要な知識・スキルの習得を目的に、先輩や上司が指導する教育訓練のことです。「職場内訓練」とも呼ばれます。

 

OJTは職場内で取り組める人材育成手法であることから、低コストで業務に役立つ内容について柔軟な指導ができることがメリットです。

 

OJTでは、指導による効果は指導者の能力に依存する部分が大きくなります。また、個別対応が可能な反面、指導する範囲が固定できないため、指導者や所属部署の業務負担が大きくなることがデメリットです。

 

新人研修を受ける上での注意点とは

新人研修を意味あるものにするためには、失敗しやすい原因についても把握しておく必要があるでしょう。どのような部分に注意すべきかについて解説していきます。

目的・身に付ける項目を確認する

 企業の人材育成方針や新入社員のレベルによって、研修の目的や身に付けてもらいたい内容は変わってきます。しっかりとどの程度理解してほしいのか、身に着けるべきスキルは何かを具体化してもらいそれが出来る・身につくよう頑張りましょう。

何事も積極的に

 入社後、初めての研修となりますので、緊張してつい消極的になりがちですが、積極的に質問したり行動したりすることで研修の意味が出てきます。何も行動をしないと反省することも出来ませんが、たくさん行動すればどうすれば良かったのかなど後で反省することが出来ます。研修中はインプットが多くなりがちですので、積極的に発言や行動をすることでアウトプットの量を増やしましょう。

「研修を受けること」で満足しない

 実施する方も研修を受ける側も、研修した内容を研修期間だけで終わらせては意味がありません。新入社員が研修で教わったことを実際の仕事に生かせてこそ、研修を実施したかいがあります。

 

まとめ

 業務を進める上で必要な知識を習得するため、新入社員全員を対象に実施する新入社員研修。上記でご紹介した目的や注意点などを踏まえた上で、目的を持って研修に臨むことが重要です。より効果的に新入社員研修を受講し、企業の将来を担う社員になるべく成長できるよう積極的な姿勢で研修を受講しましょう。また、研修は受講するだけでなく、受講した後に何をするかが一番大事です。

大変だと思いますけど社会人としての第一歩となりますので、頑張ってください。

-人事, 教育・研修
-, , , , , , , , , ,